知られざる競馬用語「呼馬」:その歴史と変遷

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知られざる競馬用語「呼馬」:その歴史と変遷

競馬を知りたい

先生、「呼馬」って昔の競馬用語で、今は使われていないって本当ですか?

競馬研究家

はい、その通りです。呼馬は昔の競馬で、馬主が直接購入したサラブレッドのことを指していました。現代の競馬では使われていない言葉ですね。

競馬を知りたい

じゃあ、昔の競馬では馬主が自分で馬を買ってきていたんですか?今は違うんですか?

競馬研究家

昔は馬主が直接購入する「呼馬」と、くじで馬を決める「くじ馬」の両方がありました。しかし、競馬が発展するにつれて「呼馬」が主流になり、今では馬主が直接、またはセリなどで購入するのが一般的になっています。

呼馬とは。

日本の競馬は、初期には「くじ馬」と呼ばれる抽選で選ばれた馬によって成り立っていました。その後、このくじ馬に代わって登場したのが「呼馬」です。呼馬とは、それぞれの馬主が直接購入し、自由に売買できるサラブレッドのことです。競馬の規模が拡大するにつれて、呼馬の存在感は増していきました。戦前の競馬番組では、くじ馬と呼馬は明確に区別されていましたが、現在では「呼馬」という言葉は使われていません。

日本の競馬黎明期:くじ馬と呼馬

日本の競馬黎明期:くじ馬と呼馬

日本の競馬は、1860年代に横浜で外国人が始めたことが起源とされています。 当時は「居留地競馬」と呼ばれ、馬券ではなく馬券の元となるくじを販売していました。そのため、出走する馬には番号が振られており、人々は馬の名前ではなく番号で馬を選び、その番号が書かれたくじを購入していました。これが「くじ馬」の由来です。

その後、時代が進むにつれて馬の名前で馬券を購入する「馬券発売」が主流となり、番号ではなく馬の名前を観客に知らせる必要性が出てきました。そこで登場したのが「呼馬」です。呼馬は、レース前に出走馬をパドックから本馬場へと誘導しながら、馬名、騎手名、馬主名を観客に紹介する役割を担っていました。当時の呼馬は、単なるアナウンスではなく、独特の節回しや抑揚をつけた独特の口調で行われており、競馬場におけるエンターテイメントの一つとして人気を博していました。

呼馬の登場:サラブレッドと自由購買

呼馬の登場:サラブレッドと自由購買

競馬の世界では、サラブレッドの輸入が本格化した明治時代後半から、「呼馬(よばうま)」という用語が登場しました。当時の競馬は、輸入されたばかりのサラブレッドと、在来馬が入り混じって競走を行っていました。しかし、サラブレッドの能力の高さが明らかになるにつれ、より強い馬を求める声が高まり、自由購買という方法で海外から優秀なサラブレッドを導入する動きが活発化しました。

呼馬とは、まさにこの自由購買によって輸入されたサラブレッドを指す言葉でした。つまり、呼馬とは、当時の競馬関係者が「強く逞しいサラブレッドを海外から呼んでくる」という熱意と期待を込めて使われた言葉だったのです。

競馬の規模拡大と呼馬の台頭

競馬の規模拡大と呼馬の台頭

競馬の黎明期には、今のように大規模なレースは少なく、出走馬も少なかったため、馬の名前を呼ぶだけで観客は自分の馬を容易に見分けることができました。しかし、時代が進むにつれて競馬はますます盛んになり、レースの規模も大きくなっていきました。多くの馬が同時に走るようになると、ただ名前を呼ぶだけでは自分の馬を見失ってしまうという問題が生じてきました。このような背景から、自分の馬を明確に識別し、応援の熱を伝える手段として「呼馬」が生まれ、発展していったと考えられます。

戦前における番組編成と呼馬の表記

戦前における番組編成と呼馬の表記

当時の競馬番組表を見ると、現在のように出走馬の名前がそのまま記載されているのではなく、「呼馬」と呼ばれる略称が使われていました。これは、当時の新聞の印刷技術や紙面の都合上、馬名を全て記載することが難しかったためです。呼馬は、馬名の一部を抜き出したり、馬主のイニシャルと組み合わせたりして作られていました。例えば、「アカイシサン」という馬は「赤石」と表記されたり、「シンザン」という馬を所有する「シンボリ牧場」の馬であれば「シン」を冠した呼馬が使われたりしました。このように、限られた文字数の中で馬を識別するために、様々な工夫が凝らされていたのです。

現代競馬における呼馬:用語の消滅と変遷

現代競馬における呼馬:用語の消滅と変遷

かつて競馬場には、「呼馬」と呼ばれる人々が存在しました。彼らはレース直前のパドックや、本馬場入場後にファンファーレが鳴り響く中で、騎手の名前や馬名、血統などを独特の節回しで高らかに叫んでいたのです。しかし、時代の流れとともに、この「呼馬」という文化は徐々に姿を消していきました。現代の競馬場では、電光掲示板や場内アナウンス、スマートフォンアプリなどを通じて、ファンに必要な情報が提供されるようになりました。そのため、肉声で情報を伝える「呼馬」の役割は薄れていったのです。

とはいえ、「呼馬」は単なる情報伝達手段ではなく、その独特の節回しや熱量によって、レースへの期待感を高める効果も担っていました。そのため、現在でも競馬ファンの間では、往年の「呼馬」を懐かしむ声が聞かれます。また、一部の競馬場では、イベントとして「呼馬」が披露されることもあり、競馬文化の一端を伝える役割を果たしています。

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